世の中の構造的考察|進路を選ぶ前の君へ

お金は人を変えてしまうエネルギーを持っている

お金は人を変えてしまうエネルギーを持っている

お金の重要性と恐ろしさ

現代は貨幣経済で成り立っており、お金を抜きにして社会を運営することは難しい状況だ。お金は汚いものでも、悪いものでもないし、命より大切なものでもない。お金はある意味社会を生きるうえでの「道具」に過ぎないような面もある。

しかしお金は非常にエネルギーを持っていることも事実だ。ときに人間関係も、人間そのものも変えてしまう力を持つ。今回はお金のエネルギーと人間関係にフォーカスして考えてみたい。

お金はときに人を変えてしまう

君もおそらく、お金が原因で人間関係が変わってしまったような例を聞いたことがあるだろう。相続問題でお金がからんで揉めてしまい、もともと仲の良かった家族が疎遠になってしまった話や、お金の貸し借りが原因で友情を失ってしまった例など、いくらでもある。お金が絡んで、そこでこじれると人間関係がかわってしまうことは、よくある話だ。

もともと善人にみえた人間が、お金が絡むと悪人になることも

お金で揉める例で、もともと悪い人もいるが、意外に注意しなければならないのは、普段は普通のひとであっても、お金が絡んだことで、悪い人になってしまうひとも、一定存在するということだ。

しかもこれはどんな人であれ、多かれ、少なかれ持っている要素である。もちろん私も、おそらく君も例外ではない。

そもそも悪い人というのは、ずーっと24時間365日、悪人でいるわけではない。ここぞというときに、悪人の素顔が垣間見えるものだ。今回の例では、お金がからんだときに、その人間の本性、本質が出てきてしまうということだろう。

もっと言えば本性ではなく、お金の誘惑がその人を歪めてしまうこともあるのかもしれない。本来お金の話がなければ、平和に過ごせた人が、大金を目の前に積まれたことで、つい誘惑にまけてしまう。。

それは悪人というよりも、人間がだれしも持つ弱さに近いものであり、私はそれを責めることは、かなり酷なようにも思える。

お金のことは人には言わない

一般的に言われることだが、外で話を避けるべき内容として、政治、宗教、お金の三大話題がある。お金のことを安易に人前で話すことは、避けたほうが無難であるのかもしれない。もしお金を持っていると話せば、悪い人がよってきて、余計なリスクを抱えることになるかもしれないし、または余計な妬みをかう可能性もある。

もちろん時と場合にもよるが、お金のこと、特に自分の資産の話は、誰であっても避ける方がよいと思う。血縁者も含めてだ。もちろん私にさえ、言う必要はない。

悲しい話だが、肉親であっても、お金があるとそれを狙ってくるような人もいるのも事実だ。ひどい場合にはお金を貸さない、あげないと、あたかも君が悪いかのように責める、とんでもない人間もいるかもしれない。だから、お金についての話題は本当に気をつけなければならないと思う。正直に言って、少し困っているぐらいに思われている方が、安全だ。

夏目漱石の『こころ』

お金と人間関係について、如実に表現された描写がある作品が、夏目漱石の『こころ』である。ネタバレになるので詳しくは書かないでおくが、「先生」の言葉の中に、非常に印象的な文章がある。

「田舎者は都会のものより、かえって悪いくらいなものです。それから、君は今、君の親戚なぞの中(うち)に、これといって、悪い人間はいないようだといいましたね。しかし悪い人間という一種の人間が世の中にあると君は思っているんですか。そんな鋳型に入れたような悪人は世の中にあるはずがありませんよ。平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです」

この記事を書くために調べてみてわかったが、私が先程書いた内容と酷似している。どうも高校生の時に読んだこの作品に深く影響を受けているようだ。自分でも気がつかない発見だった。君もぜひ読んでみるとよい。昔の作品だけど、比較的読みやすいし、かなり引き込まれると思うよ。

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